微生物コンソーシアムって何?

サイエンス

微生物を研究している科学者の間ではよく、微生物同士が協力し合うことをコンソーシアムと呼んでいます。

土壌生態学の重要な概念のひとつに、個々の種よりも群集の重要性があります。自然界では単一の種が単独で機能することはなく、植物や微生物のグループが生存のために互いを必要とし、密接に相互作用する種のコンソーシアムを形成していることが多いのです。土壌微生物は小分子を放出したり検出したりすることで、互いにコミュニケーションをとっています。微生物コンソーシアムは密接に相互作用する、種による真のパートナーシップであると言えるでしょう。

微生物という宇宙からのオクリモノ

自然界や農業のシステムにおいて、植物の成功は植物・微生物・土壌・培地の生態学的相互作用によってもたらされます。真の微生物コンソーシアムとは2つ以上の異なる種が一緒に働き、単独で機能するよりも高いレベルで機能するグループのことです。コンソーシアムが密接に相互作用しない単一の細菌種や細菌群よりも、強力で堅牢になり得る理由はいくつかあります。

まず、土壌の機能プロセスには1つのプロセスを完了するために、複数の微生物種を必要とするものが多く存在します。例えば、窒素循環のいくつかの側面では、異なる種類の細菌によって触媒される別々の反応が必要です。同様に、1つの細菌種ですべてのプロセスを完了することはできず、各代謝産物は次のステップを完了するために別の種に引き渡されます。自然界では多くの微生物のプロセスが、まるで熟練工が何人も並ぶセル生産方式のような構造になっているのです!
次に、微生物コンソーシアムは単一の種よりも植物の健康をサポートするために、より強固である可能性があります。例えば、コンソーシアムは競争相手の侵入に強く、環境の変動に耐えることができます。これは他の微生物がストレス下にある場合でも、コンソーシアム内の異なる微生物が異なる条件下で増殖し、重要な土壌栄養循環を維持するためでもあります。

微生物から始まるミライ

植物の栽培を成功させるためには「単一の解決策」は存在せず、まさに統合的な管理システムが必要なのです。持続可能な管理システムに微生物の力を取り入れることで、植物は品質と収量のために表現型の潜在能力を最大限に引き出すことができます。微生物コンソーシアムを活用するその他の利点としては、多くの異なるシステムでうまく機能することが挙げられます。さらに、有益な微生物は他の微生物と相性が良いことが多く、有機土壌システムにおいて健全な土壌食物網を補完します。

土壌微生物は自然界で植物を成功させるための、ラストピースになり得ます。今までの植物栽培に微生物をプラスすることが、植物の品質と収量を持続的に向上させる最善の方法の1つであると言えるでしょう!

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