植物における「K」の重要性

サイエンス

カリウム(K)は、植物が健康な生長と繁殖のために必要とする17の必須元素のうちの1つです。カリウムは窒素(N)やリン(P)と共に主要栄養素として分類されており、植物の生長にとって窒素に次ぐ重要な栄養素と考えられています。今回は、なぜカリウムが重要なのかにスポットを当てます。

植物のバイオマスを生産するために主に必要とされる窒素とリンとは対照的に、植物は養分輸送・光合成・気孔の調節など、植物の生長を間接的に支える重要な細胞内機能にもカリウムを必要とします。また、カリウムは植物細胞内の生長プロセスに関与する、少なくとも60の酵素活性を調節することで触媒として働き、糖と栄養素の輸送を促進するのに役立ちます。

気孔の活動・酵素の活性化・光合成におけるカリウムの重要性

植物は、光合成に不可欠な気孔の開閉をカリウムで調節しています。簡単に説明すると、気孔の周囲の細胞(孔辺細胞)にカリウムが蓄積されると、カリウムオン濃度が高くなるため、浸透圧によって細胞内に水が溜まり膨張します。膨張した孔辺細胞は、気孔に圧力をかけ、気孔を開かせます。気孔が開くと、植物と周囲の環境との間でCO2などのガスが交換されるようになります。カリウムの供給が不足すると、気孔の活動速度(開閉速度)が遅くなります。この際、気孔が閉じるのに数分ではなく数時間かかることがあり、その結果、植物の生長が極端に遅くなります。

カリウムは、植物の生長に関連する60種類以上の酵素を調節する触媒です。さらに、細胞内に存在するカリウムの量によって、一度にどれだけの酵素主導の反応を活性化できるかが決まります。例えば、カリウムは光合成の速度の調節やアデノシン三リン酸(ATP)の生産に関わる酵素を活性化し、触媒として機能します。これらの高エネルギー分子は、実生から開花ま​​での植物の生長をサポートする、すべての必要な細胞反応を促進します。ATP生成中、植物はカリウム(イオン)を使用して電荷を調節しており、光合成中のATP生成を最大化するために重要です。これは植物がカリウムを欠乏している場合、光合成とATPの生産速度が低下し、その結果、植物の発達のあらゆる側面が制限されるからです。

植物に適切なカリウムを供給する

植物へのカリウムの供給は、根と土壌の相互作用に強く影響される複雑な土壌動態によって大きく変動します。自然界では、全カリウムの最大95%が無機質土壌にしっかりと結合しており、植物の取り込みに利用できません。少量(〜5%)は、化学的に鉱物や培地に収着し、微生物の脱着活動によって植物が取り込めるようになります。植物は土壌溶液中の可溶性カリウムを容易に吸収します。土壌溶液中に植物が吸収できるカリウムは全体の1%程度であるため、カリウムの管理は単に肥料を十分に与えるだけでは不十分であり、より複雑です。

土壌微生物が持つ自然の力を利用することで、植物の養分利用効率を最大限に高めることができます。農業システムでは、カリウムは主にカリ(K2O)の形で植物に吸収されるように土壌に適用されます。カリは、ムリエート(KCI)・硫酸塩(K2SO4)・二重硫酸塩とマグネシウム(K2SO4 2MgSO4)・硝酸塩(KNO3)として市販されています。これらの肥料は、土壌に施用した後、すぐに植物が利用できなくなる可能性があります。このような場合 MAMMOTH P (マンモスピー) などの有機微生物製剤を使うことで、土壌微生物が結合した栄養素を自然に解き放ち、植物が利用できる形に栄養素を戻し、カリウムの利用可能性を最大化して取り込みを大幅に増加させることができます。植物に微生物のバイオスティミュラント(有益なバクテリアなど)を採用すると、カリウムの循環と吸収を大幅に増加させ、健康・品質・収量を向上させることにつながります。

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